sakuragigundan777’s diary

日々低迷するパチンコ業界に少しでも活気を!

消費税10%になったらパチンコ店はどうなる?その①

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今回は、2019年10月から予定されている消費税増税!現在8%の消費税が10%になったときにパチンコ店はどうなるのか?を検証してみたいと思います。

※私は税理士などではありません、いちパチンコ店の店長です。多少の間違いはお許し下さい。

また、パチンコ店の納税は消費税だけではなく法人税や所得税などがあり全てを考えると、
話がややこしくなってしまいますので今回は純粋に売上と利益をもとに考えた場合の話になります。

 

仕入税額控除

そもそもパチンコ店の消費税額はどうやって計算するのか?ですが仕入税額控除という方法で計算します。

簡単に言うと、売上にかかる消費税【仮受消費税】から仕入等にかかった消費税【仮払消費税】を引いた金額になります。

 

売上にかかる消費税
【仮受消費税】とはホールでお客様がパチンコ・スロットを遊技する為に使ったお金にかかる消費税です。
現在(8%消費税)4円パチンコの場合は、1玉あたり貸し玉料金3.7037...円+税0.2962...円=4円となっています。
これは貸し玉料金に含まれているので、一次的に事業者が負担して申告を行い納税します。後から払う税金です。

仕入にかかる消費税
【仮払消費税】とは特殊景品などの景品仕入れのために支払った代金にかかった消費税です。
これも現在は8%なので100万円の仕入れだと8万円の消費税を支払っています。すでに支払った税金です。
※現在はコンプライアンス的な事情で特殊景品とは言いません。

この売上にかかる消費税から、景品購入などですでに支払っている消費税を引いた金額が、パチンコ店の納税額になります。


では、実際に増税になったらパチンコ店はどれぐらいの増税額になるのか?いくら増えるのか?
ですが、その店の規模や営業形態によって違ってくるので一言でいくら増えるとは言えませんが...
仮に分かりやすい金額『月間売上1億円で利益率15%の営業』で計算して行きたいと思います。
※実際にはこの倍以上の売上がある店が多いです。

仮受消費税

月間売上が100,000,000円(1億円)だった場合の納税額
消費税8% 8,000,000円(800万円)
消費税10% 10,000,000円(1,000万円)
差額 2,000,000円(200万円)

これがパチンコ店の増税される仮受消費税になります。

 

利益率と還元率

利益率が15%と言うことは、還元率は85%となります。
売上が1億円で利益率15%・還元率85%の営業した場合
利益額 15,000,000円(1,500万円)
還元額 85,000,000円(8,500万円)

単純計算、1億円の売上で8,500万円還元して1,500万円儲けているのです。
入ってくる金額も大きですが、出ていく金額も大きいんですよ...

※実際にはこの倍以上の売上がある店が多いです。
 
 

仮払消費税

景品の仕入れで発生する消費税で、大半を占めているのが特殊景品の仕入れです。
※現在はコンプライアンス的な事情で特殊景品とは言いません。

ここで重要になってくるのが還元額です。お客様に還元した玉・メダルはほぼ景品として交換されます。
その景品を仕入れるために支払う消費税が仮払消費税になります。

では還元額が8,500万円だった場合の仮払消費税は
消費税8% 6,800,000円(680万円)
消費税10% 8,500,000円(850万円)
差額 1,700,000円(170万円)

となります、これもパチンコ店の負担が増える仮払消費税です。

 

実際の増税額

これでパチンコ店の、売上にかかる消費税【仮受消費税】と仕入でかかった消費税【仮払消費税】が分りましたね。
では仕入税額控除にて実際の増税額を比較してみましょう。

消費税8%(売上1億円・還元率15%の営業)
仮受消費税  8,000,000円(800万円)
仮払消費税  6,800,000円(680万円)
実際の納税額 1,200,000円(120万円)


消費税10%(売上1億円・還元率15%の営業)
仮受消費税  10,000,000円(1,000万円)
仮払消費税  8,500,000円(850万円)
実際の納税額 1,500,000円(150万円)


納税額の差は300,000円(30万円)となります。
ここまでの金額の規模が大きいので30万円が可愛く見えますね。

利益額との関係

これまで長々と計算をしてきましたが、実は単純な話、売上がいくらであっても、仕入れがいくらであっても、納税額は利益額で決まるのです。

ちなみに上記で計算した納税額は
利益額 15,000,000円(1,500万円)に対して
消費税8% 1,200,000円(120万円)
消費税10% 1,500,000円(150万円)


ですが、これを『売上2億円・還元率7.5%の営業』で計算してみましょう。
(消費税8%)
仮受消費税 16,000,000円(1,600万円)
利益額 15,000,000円(1,500万円)
還元額(仕入額)185,000,000円(1億8,500万円)
仮払消費税 14,800,000円(1,480万円)
仮受消費税(1,600万円)-仮払消費税(1,480万円)=納税額(120万円)


(消費税10%)
仮受消費税 20,000,000円(2,000万円)
利益額 15,000,000円(1,500万円)
還元額(仕入額)185,000,000円(1億8,500万円)
仮払消費税 18,500,000円(1,850万円)
仮受消費税(2,000万円)-仮払消費税(1,850万円)=納税額(150万円)


利益額に対しての納税額が一緒になるのがわかりますね。
売上に対して利益がどれぐらいあるのかで、仕入額が決まってくるので
【利益額×消費税率】で納税額が分ります。

結果

つまり、消費税が8%から10%になった場合ですが
利益1,500万円の小規模店なら120万円から150万円で30万円の増税
利益3,000万円の中規模店なら240万円から300万円で60万円の増税
利益6,000万円の大規模店なら480万円から600万円で120万円の増税

となります。これが月々の消費税ですから年間通すと莫大な金額になります。


ますますパチンコ業界厳しくなりますね...
ホールも勝ち組店舗と負け組店舗がハッキリ分かれる事になりそうです。
次回は、消費税10%になったらパチンコ店はどうなる?その②でこの消費税増税で、ホールが今後行うであろう対策を検証して行きたいと思います。

興味があるかたは是非、読んで頂ければと思います。