消費税10%になったらパチンコ店はどうなる?その③
2019年10月から予定されている消費税増税!現在8%の消費税が10%になったときにパチンコ店はどうなるのか?前回に引き続き検証してみたいと思います。
機械割を変更
こちらは、換金率(分岐割数)の変更は行いません。あくまでも機械割だけの変更による増税分確保になります。簡単に言うと調整をきつくしたり、設定配分を下げて利益を増加させることにより増税分の支出を確保するといったものです。
消費税の増税率は8%→10%で2%の増税となりますので、利益も2%増加させなければなりません。ですがこれは、ホールがどういった営業をおこなっているかによって変わってきますので一概にどれぐらい出なくなりますというのは難しいです。
なので、自分なりに考えた見解にはなりますが検証して行きたいと思います。
パチンコの場合
現在、パチンコは新基準の設定付パチンコなど【P〇〇〇】と旧基準の【CR〇〇〇】が混在している状況にあります。消費税が増税になる2019年10月時点でどれぐらいの割合で設定付が設置されているかは明言出来ませんが、検定機・認定機の設置期間がまだ残っている状態を踏まえると、それほど多くの台数が設置されているとは考えづらいと言えます。
2019年10月まででどこまで台数が伸びていくかは定かではありませんが、おそらく全体の設置台数の10%~20%程度になるのではないかと予想しています。
設定付パチンコであれば、設定配分を下げる事により利益増加が見込めますが、大半のパチンコ台は非設定付なので、利益調整を行う場合は当然、釘調整がメインとなるでしょう。
現在、全国で一番設置台数が多いパチンコ台は三洋物産の【CRスーパー海物語IN沖縄4MTC】です。約118,000台ほどの設置があります。
この沖海4MTCをダイコク電機のSISシミュレーションを元に計算した結果がこちらになります。
スタート | 千円スタート | 出率 | 売上 | 粗利 | 利益率 |
5.00 | 17.6回 | 95.5 | 52,457円 | 12,035円 | 22.9% |
5.10 | 18.1回 | 96.8 | 51,267円 | 10,068円 | 19.6% |
5.20 | 18.5回 | 98.1 | 50,111円 | 8,123円 | 16.2% |
5.30 | 19.0回 | 99.4 | 48,988円 | 6,200円 | 12.7% |
5.40 | 19.5回 | 100.6 | 47,897円 | 4,298円 | 9.0% |
5.50 | 19.9回 | 101.9 | 46,836円 | 2,416円 | 5.2% |
5.60 | 20.4回 | 103.2 | 45,715円 | 408円 | 0.9% |
5.70 | 21.0回 | 104.5 | 44,570円 | -1,671円 | -3.7% |
5.80 | 21.6回 | 105.9 | 44,570円 | -3,728円 | -8.6% |
5.90 | 22.1回 | 107.2 | 43,457円 | -5,762円 | -13.6% |
6.00 | 22.7回 | 108.6 | 41,322円 | -7,775円 | -18.8% |
こちらは設定がついておりますので、純粋に設定配分を下げる事によって利益確保が可能となります。ですが、ホールによって設定の使い方や機種によって設定別機械割が違いますので、ほぼ全てのホールに設置されている【ニューアイムジャグラー系】で検証してみます。
ニューアイムジャグラーのスペックは以下の通りです。
設定 | BB確率 | RB確率 | 合成確率 | 出玉率 |
1 | 1/287.4 | 1/455.1 | 1/176.2 | 95.9 |
2 | 1/282.5 | 1/442.8 | 1/172.5 | 96.7 |
3 | 1/282.5 | 1/348.6 | 1/156.0 | 98.7 |
4 | 1/273.1 | 1/321.3 | 1/147.6 | 100.8 |
5 | 1/273.1 | 1/268.6 | 1/135.4 | 102.8 |
6 | 1/268.6 | 1/268.6 | 1/134.3 | 105.2 |
結果
スロット(ニューアイムジャグラー)の平均設定は1段階下がる。
となりますが、これはあくまでも換金率の変更をおこなわず、一部の機種を対象とした簡単な検証にすぎません。実際はここまで下がらない可能性もありますし、もっと下がる可能性もあるでしょう。
ですが、どちらにしろお客様の負担が増えるのは変わりません。
経費を削減
機械費の削減
まずは、機械費の削減ですが、これは新台入替時に導入する遊技台の台数や単価を下げるといったものです。ではいったいどれぐらいの削減になるのかですが、これもホールによって機械の購入予算が違いますので一概には言えません。
ですが、以前書いた増税額をもとに大よその台数が計算することが出来ます。
前記事で書いた以下の通りです。
利益1,500万円の小規模店なら120万円から150万円で30万円の増税
利益3,000万円の中規模店なら240万円から300万円で60万円の増税
利益6,000万円の大規模店なら480万円から600万円で120万円の増税
現在の新台価格は約45万円ほどなので、新台を購入する場合は
30万円増税の小規模店なら月間0.67台の削減
60万円増税の中規模店なら月間1.33台の削減
120円増税の大規模店なら月間2.67台の削減
となります。
中古台の場合は価格がピンキリなのですが約20万円として、計算します。
30万円増税の小規模店なら月間1.5台の削減
60万円増税の中規模店なら月間3台の削減
120円増税の大規模店なら月間6台の削減
となります。
もちろんこれだけではなく、ホールによっては導入台数を減らしたくないので、新台の購入台数を減らして中古台の購入台数を増やすということもあるでしょう。
しかし、この遊技台の購入予算は、法人・ホールによって大きな差があります。月間1,000万円以上の予算を使っているホールもあれば、導入台が系列店からの移動台や倉庫在庫の再設置だけで、費用が書類代のみの数万円というホールもあります。
宣伝・広告費の削減
これは、大きいものでTVCM・ラジオCM・折り込みチラシ・ライター実践取材などがあります、小さいものでは店舗の販促物の制作費用なども含まれます。
現在は、広告規制が厳しいため以前より費用はかかっていないものの、それでも月に数百万単位で予算を組んでいるホールも多くあります。
地域にもよりますが、費用対効果が低い販促は見直す可能性は大いにあると思います。
人件費の削減
ここまで来ると、かなりキツイ状況だと思います。個人的には1番削ってはいけない経費だと考えております。現場(ホール)においては必要以上の人件費削減がサービスの低下につながります。もちろん無駄にスタッフが多すぎる場合は別ですが、私の経験上スタッフがまとまって退社した場合、稼働も比例して低下する傾向があります。どうしても人件費削減を望むのであれば、給料が高い使えない幹部をリストラして下さい。
※すみません、個人的な意見になってしまいました...
廃業
建物や土地代
光熱費
一番電気代がかかるのは空調で光熱費全体の半分ぐらいはこれにあたります。
遊技台の電気代は1台あたり1日35円ほどです。設置台数が500台の中型店であれば月に50万円以上で、これがパチンコ台を稼働させるだけでかかる電気代です。
その他、照明や設備などの電気代も加えると数百万以上の支払いになります。
パチンコ店は、その他にも法人税や設備費・雑費など色々な支払いが営業しているだけでかかって来ます。
ただでさえ減少傾向にあるパチンコ業界では、ギリギリで営業しているホールは増税後に赤字に転じる可能性もあり結果、廃業を選ぶことも十分に考えられます。
まとめ
1 換金率を下げる
50枚貸し・54枚交換だったホールが50枚貸し・56枚交換になる。